土地・建物

間貸しでもご注意を

この記事を書いたのは:久保田 湧

新年度に向けた引越しシーズンが今年も到来しますね。

 進学、就職、転勤等、引越しの事情は人さまざまですが、なかには、自宅の一部の間貸しを検討している人もいるかと思います。

そこで、注意しておきたいのが、間貸しであっても借地借家法の適用がある場合があるということです。

 借地借家法の適用を受ける場合には、期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めのがない建物の賃貸借とみなされます(借地借家29条)。また、建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件として正当事由が必要とされます(借地借家28条)。

 借地借家法の適用を受ける建物について、判例では「建物の一部であつても、障壁その他によつて他の部分と区画され、独占的排他的支配が可能な構造・規模を有するものは、借家法一条にいう『建物』であると解す」るとの判断がされています。

 すなわち、建物の一部の賃貸借契約について借地借家法が適用されるか否かの判断は、その建物の一部について独占的排他的支配があるか否かが基準となります。

 そのため、上記の基準の当てはまるような形で間貸しをする場合には、借地借家法が適用されるので、注意が必要ですね。


この記事を書いたのは:
久保田 湧