会社経営

社長借入金と相続財産

この記事を書いたのは:川口 正広

中小企業の経営者だと、会社の資金繰りが厳しいときに当座の運転資金として社長個人が会社にお金を入れるというケースは珍しくありません。

こうした社長からの借入金は、会社の資金繰りに余裕のある時に返せれば良いのですが、なかなか予定通りには進まないものです。そして、気が付けば、社長借入金が数千万円に膨らんでしまうこともあります。

そうしたときに、社長が死亡して相続が発生してしまうと、会社への貸付金が相続財産として課税対象となってしまいます。社長借入金には将来的に返してもらえる当てがないものも多いですが、そんなものに相続税が発生してしまうのは頭が痛い話です。

そのため、社長借入金というのはいつまでも放置しておくのは良くありません。債権放棄をしておけば良いじゃないか、という声もあるかも知れませんが、これをすると、負債を帳消しにしてもらった会社に債務免除益が発生し、法人税が課税されてしまいます。

ですので、法人の資金繰りに気を付けながら、社長借入金が大きくなりすぎないように注意して下さいね。

@納税通信(第3805号)参照


この記事を書いたのは:
川口 正広