消費者問題

肖像権侵害による賠償責任の発生要件

この記事を書いたのは:川口 正広

人の肖像を無断で使用し肖像権侵害として不法行為法上違法となる場合(賠償責任が発生する場合)とは、どのような場合か。

1)第1類型(プライバシー侵害型)

被撮影者の私的領域において撮影し又は撮影された情報を公表する場合において、当該情報が公共の利害に関する事項でないとき

2)第2類型(名誉感情侵害型)

公的領域において撮影し又は撮影された情報を公表する場合において、当該情報が社会通念上受忍すべき限度を超えて被撮影者を侮辱するものであるとき

3)第3類型(平穏生活侵害型)

公的領域において撮影し又は撮影された情報を公表する場合において、当該情報が公表されることによって社会通念上受忍すべき限度を超えて平穏に日常生活を送る被撮影者の利益を害するおそれがあるときなど、被撮影者の被る精神的苦痛が社会通念上受忍すべき限度を超えるとき

このように、ピンク・レディ事件判決などによって、上記の判例法理が確立されています。

これによると、著名人の公的領域において撮影された写真は、侮辱するようなものでなく、また、その写真を使用することによって平穏な生活を侵害するようなものでなければ、週刊誌に掲載しても許される、ということとなります。

@参考文献

東京地裁令和4年7月19日判決(判例時報第2552号44頁)


この記事を書いたのは:
川口 正広