交通事故

交通事故の主婦休損(主夫休損)

この記事を書いたのは:川口 正広

家事従事者(主婦、主夫)が交通事故の被害者となった場合、家事労働が損害としてどのように評価されているか。

最高裁は、家事労働を金銭的評価可能であるとし、女子雇用労働者平均賃金で評価するとしている(最判昭和49年7月19日)。

その上で、実務では、

1)専業主婦の場合は、原則として女性学歴計全年齢平均賃金を用いる。

2)兼業主婦の場合は、実収入が前記平均賃金を上回るときは実収入を用いるが、下回っているときは前記平均賃金を用いる。就労形態がパートか正社員かでは区別はされず収入で考える。

ただし、実務上、被害者の年齢が60歳以上の場合は、女性学歴計「全年齢」平均賃金ではなくて、女性学歴計「年齢別」平均賃金を用いることが多くなる傾向がある(全年齢と年齢別の違い)。

また、被害者が障害の既往症をもっていた、80歳以上の高年齢などの事情がある場合は、家事労働能力に一部制限があると考える傾向があり、割合認定をすることも多い(割合認定とは何割か減額するという意味)。

なお、男性の主夫であっても主婦と同様に評価されている(女性の平均賃金を用いて評価する)。

@交通事故相談ニュースNo.50参照


この記事を書いたのは:
川口 正広