不貞行為(浮気・不倫)の慰謝料請求 ~認められる条件と証拠収集のポイント~
この記事を書いたのは:丸岡美幸

配偶者の浮気や不倫(法律上は「不貞行為」といいます)が発覚したとき、精神的苦痛に対する慰謝料を請求できる可能性があります。ただし、慰謝料が認められるには、いくつかの重要な条件と証拠が必要です。
1.慰謝料が認められるための条件
慰謝料請求が認められるには、主に次の3つの条件を満たす必要があります。
① 不貞行為があったこと
不貞行為とは、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます。感情的なメッセージのやり取りや親密な連絡だけでは、原則として該当しません。
② 相手が既婚者であることを知っていたこと
不貞相手が「独身だと思っていた」と主張した場合、それが合理的な理由であれば責任が認められないこともあります。
③ 不貞行為の時点で婚姻関係が破綻していないこと
すでに夫婦関係が実質的に破綻していた場合(長期別居など)は、慰謝料請求が認められないことがあります。
2.証拠として有効なもの
不貞行為の証明は、請求する側に責任があります。主な証拠には次のようなものがあります。
- ラブホテルへの出入りを記録した写真・動画
- 探偵の調査報告書
- クレジットカードの明細やホテルの領収書
- 定期的な外泊や不自然な行動の記録
これらすべてがそろう必要はありませんが、複数の証拠を組み合わせることが大切です。なお、探偵費用が慰謝料額を上回るケースもあるため、依頼前に費用対効果をよく検討しましょう。


3.時効(請求できる期限)に注意
慰謝料請求には期限があります。不貞行為と相手の存在を知った時点から3年間が経過すると時効になり、請求できなくなります。不貞行為が長期間続いていた場合、行為ごとに時効が進行するため、早めの対応が重要です。
4.配偶者だけでなく、不貞相手にも請求できる
慰謝料は、不貞行為をした配偶者だけでなく、不貞相手(第三者)にも請求できます。 ただし、「不貞行為による慰謝料」と「離婚したこと自体への慰謝料」は別物として扱われます。不貞相手に対して離婚したこと自体への慰謝料を請求する場合、最高裁判所の判断(判平成31・2・1 民集73・2・187)により、単に不貞行為があっただけでは認められません。不貞相手が「この夫婦を離婚させよう」と意図して積極的に介入したなど、特別な事情がある場合に限られています。 つまり、不貞相手への慰謝料請求は可能ですが、「離婚そのものに対する損害」まで認めてもらうにはハードルが高くなっている点に注意が必要です。

慰謝料請求を検討されている方は、時効や証拠の問題がありますので、早期にご相談いただくことをお勧めします。


この記事を書いたのは:
丸岡美幸